確かに私は夏休みに時間が取れる限り、なるべく部室に通った。刺繍も出来ないしウエディングドレス制作ではほとんど役に立つことは出来なかったけど、飾りに使う花を作ったり端切れや糸くずを掃除したりしていた。
「手芸の知識とか実力よりも、手芸部に対する気持ちのほうが私は大事だと思います。麗華様ほど手芸部を愛している部員はなかなかいないでしょう?」
「麗華様、私達も出来るだけフォローしますから、部長になってもらえませんか?」
同じ2年生の部員である浅井さんも部長さんの横から口添えしてきた。
そしていつの間にかほかの部員達も私達の周りに集まってきて、口々に部長になって欲しいと言った。
私が、手芸部の部長…。