「――待たせたかい?」「いいや。待ち時間は昨日より1分短いな」「ふん。時間に細かい男は嫌われるよ」「時間にルーズな女よりはマシだ」 深夜0時1分。 昨夜と同じ森の中で、レンコと合流する。 ん? テイムはどうだったかって? うるさい黙れ。「で、聖女サマは何だって? きちんとセンパイの言うこと聞きなさーいってか?」「っ! あんた、本当に気に食わないね……っ」 図星だったようだ。「じゃ、作戦を練ってきたから共有しよう」 俺はさっそく本題に入ろうと、今朝ウィンフィルドと話し合った作戦をレンコへ伝えることにした。 すると、レンコは舌打ち一つ、俺の話を遮るように口を開く。「……話に入る前に、ちょいといいかい」 これまでにない、真剣な表情。 そして、彼女は、驚きの言葉を口にした。「あたいと勝負しな」 ………………。 え、なんで?