歩くのもやっとな善逸を連れていくと、休日は閉まっている病院のエントランスが開いていた。「宇髄さーん、竈門です!善逸連れてきました!」「おう、おかえり。うちのが手間かけてすまねえな」奥からのっそりと出てきた宇髄は白衣を着ておらず、仕事中の時よりもさらにラフな少しくたびれたパーカーにスウェットにサンダルという出で立ちだった。「いえ、俺は大丈夫です。それより善逸が…」「ああ」炭治郎の肩でかろうじて立っていた善逸の身体をひょい、と姫抱きにして診察室に連れていく。吐いたせいか顔色は変わらず真っ青で、力もあまり入らないようだった。