「お。新商品じゃないか」
「ぅっ……ん♡ そうみたい、だね♡」
もう自分がなぜそれを手に取ったのかもわからない。
横から覗き込んできた彼に見えるようにパッケージを横に向ける。
「ふーん……新商品か。買うのか?」
「ぃや……うーん、んっ♡ どーしよっかなぁ♡」
すぐそばでアタシのほうを向いてきた顔。
夜になったから無精髭のでてきたその顔に、キスをしてしまいそうになる。
「プロデューサー……♡ アタシ……♡♡」
ふらふらと。
彼の顔に手を伸ばす。
「美嘉? ……あー……やりすぎたか」
その手は、途中で強く掴まれる。
「美嘉。ちょっと我慢な。それでいいのか?」
「んぇ……うん……♡」
がまんすれば。
がまんすれば、ごほーびくれるんだよね……♡
なら、アタシ、がまんする♡
「よしよし、いい娘だ」
そうして彼に手を取られて歩く。
顔を下に向けて手に従うまま歩き続けていると。
アタシは気づけば外にいた。
「あれ……」
「う、さぶ。よし、いくぞ美嘉」
「あ、うん……」
外の冷たい風に、一瞬体が縮こまる。
アタシ……なに選んで渡したんだっけ?
「途中トイレにちょっと寄ろう」
「え? うん……」
トイレでするのかな?
トイレでするためのもの買ったんだっけ?
そう思いながら。公園のトイレに入る。
いつものように彼と二人、個室に入るとやはり狭苦しい。
「えーと……、プロデューサー?♡」
「まだヤラないからな」
「えー……?」
どうしたのかな?
そう思っているうちに取り出したのはさっきのアダルトグッズショップの袋。
がさがさと取り出したのは……ハンドクリーム?
「なにそれ?」
「これこれ。ちょっとバイブとか全部はずして」
「ん? うん」
言われるがままにコートを開く。
始めて下着も洋服も着ずにコートだけで外を歩いた日は、恥ずかしさのあまりに失禁をしてしまった。
バイブを取り外すと、冷気に触れてローションに濡れた乳首が震える。
「ぁ……♡」
この感覚、やっぱり好き……♡
でも、もう何度もしたから大丈夫。失禁なんてしない。
そう思っていたけど。