ちょいちょいと指で招かれたので顔を寄せる。 すると、ちゅっと唇を重ねてから「行きましょう」と囁かれた……けど、甘い香りだけを残されている僕はそのまま腰から崩れ落ちそうだった。不意打ちにもほどがあると思うんだよ? このあいだ将来の約束をしたばかりだというのに、この先、心臓が耐えられる自信が無くなってきた。「? どうしたの、あまりシャーリーを待たせたら悪いわよ?」「そ、そうだね。じゃあ今度こそリベンジを果たそうか」「当り前よ、私たちはそう簡単に負けたりなんてしないの。階層主もみんな倒してきたんだから」 うん、たったいま僕は負けそうだったけどね。なんて言ったら笑われそうだったので気を引き締めると、僕は脱衣所の戸をがらりと開け放った。「ああ、そういうこと。第三階層を開拓させたかったの」