シロがアイナの後頭部を思いっきりジャンプしてスパアアアンと叩いたように見えたが気のせいだろうか。「それがだめ。チャンスは全てものにする。その上で自分でチャンスも作る」「そ、そうか。わかった! 主君!」「お、おう」シロとウェンディが何を話しているのかわからないが、アイナがわざわざ鎧を外してから俺に向かって両手を広げて歩いてくる。だがその顔はどう見ても泣きつくソレとは違い、鼻息荒く気合を入れているように思える。「主君行くぞ!」「あ、ああ」「ところで、もう ポーション作り は終えられたのでしょうか?」アイナが抱きついてくる直前、後ろからヤーシスに声をかけられ振り向いてしまった。その際にアイナとすれ違い、派手に転ばせてしまう……。「アイナ、大丈夫か!!?」「……主君今のはあんまりじゃなかろうか……せっかく勇気を出したのに」「ああ、今なら泣き面だな。よしよし……」「ううー主君ー……」「あーはいはい。ごめんな。今のは俺が悪かったよ……」「えっと。いかがされたのでしょうか……」まあなんだ。不幸な事故というか、タイミングが悪いというか。うん。アイナさん抱きしめる力強いっす。胸のふくらみよりも、腕の痛みの方が強いのお願い緩めて……。「ああヤーシス。これで文句ないよな?」