「ワンッ!」
元気いっぱいのベアトリーチェは、梅若君の周りをぐるぐると走った。
「ベアた~ん!狭かったね~!でもいい子にしてたね~!」
梅若君は膝を付いてベアトリーチェに頬ずりをした。ベアトリーチェもくぅんくぅん言って梅若君に甘えている。甘い甘いふたりだけの世界だ。
「聞きしに勝るデレっぷりだな」
茶髪の北澤君が梅若君を見て言った。そうかな。ベアたんメールを送られている私からすれば、こんなのまだまだ序の口だと思うけど。
「さぁ!ベアたん、今日はお友達の麗華たんのモデルさんになってあげるんだよ~。可愛く撮ってもらうために、きれいきれいにしようね~」
梅若君は傍らのトートバッグからブラシを出し、ベアトリーチェを丁寧にブラッシングした。ベアトリーチェの茶色い毛は梅若君が毎日手入れしているたまものか、艶々ふわふわだ。両耳にピンクのお花のヘアアクセサリーを付けている。
「ほ~らきれいになった!ベアたん、麗華たん達にご挨拶しよう!」
「麗華たん…?」