「なんだ?」 俺達が一箇所に集まり、辺りを見回していると、土がボコボコと盛り上がり始めた。 土から出てくる白い棒のような物が、徐々に姿を現してくる。 土まみれで、形がよく解らないが――骨? そう、骨が立ち上がり俺達の方へ、よたよたと向かって来たのだ。「スケルトンってやつか?!」「動く骨にゃ! これも魔法で動いてるにゃ」 こんな骨だけで、関節も筋肉も怪しいのに、どうやって動いているのか謎なのだが、とにかく動いているし、手には錆びついた剣も握られている。「む~!」「待て待て! ここで憤怒の炎とかを使うと、刈った草に引火するぞ!」「弓も骨には利かないにゃ!」 動きがトロいんだから、逃げりゃいいか? ――そう考えていると、スケルトンが剣を振り下ろしてきた。「あぶねぇ!」 意外と速い! ミャレーとバイクのスピードなら逃げきれると思うが。 カタカタと不気味に迫り来る骨――いや、こんなのを放置して森の中でウロウロされたら、色々と拙いだろ。 狩りとか薬草採取に支障が出る。そうとなれば、戦うしかねぇ!「ユ○ボ召喚!」 目の前に現れた鋼鉄の相棒に座ると、エンジンを始動。 スケルトンが手に持っている錆びついた剣でバケットを叩いているのだが、俺はそれに構わずレバーを操作して鋼鉄の爪を振り上げた。「ユ○ボアタック!」 振り下ろされ地面まで食い込んだバケットが、スケルトンの1体をバラバラに粉砕し、白い破片に変える。 スケルトンは壊し方が半端だと復活してくる印象があるのだが、ここまでバラバラにすれば、その心配もあるまい。「よっしゃ! 残りも成仏しやがれ!」 続けざまに残りの2体も粉砕し、ユ○ボのカタピラで踏み潰し粉々に――戦いは呆気なく終了した。「ふう……」「ケンイチの召喚獣は強すぎるにゃ。普通は動く骨を相手にすると、もっと苦戦するにゃ」「そうだな――炎は効くのか? 電撃はダメだろ。中途半端に壊すと復活する」「その通りにゃ。ケンイチは詳しいにゃ」 相手には、恐怖心もないから脅しも通用しないしな。今日は3体だったが、こんなのがゾロゾロと数十体集まってきたら厄介だな。