え、どうですかって……。「あ、あの、離婚ということは、すでにネヴィさんはご結婚を?」 私が恐る恐るそう伺うと、ネヴィさんは柔らかく微笑んで頷いた。「ええ、結婚しています。しかしあなたと縁を築くためならば離婚いたしますよ」 と満面の笑みで言い放った。 こいつはやばい。 さすが、狸親父の息子である。 私は戸惑いながらシルバさんを見ると、あのシルバさんすら、『こいつはやばい』という顔をして固まっていたので、ネヴィさんはシルバさん以上にやばいのかもしれない。「あ、いえ、私はまだ結婚する気がないので、すみませんが」 と冷静に言い放つと、ネヴィさんは、「それは残念ですね」と言って微笑んだ。 怖い、商人って怖い。 まともな好青年だと思っていたのに。「あ、それよりも、早く議事場に行きましょう。もうそろそろ時間になります!」「ああ、そうだな! 急ごう! 急いだ方がいい!」 何ともいたたまれない空気になったので、私が声をかけると、シルバさんも私の提案にのってくれて、私たちはいそいそと連なって、商人ギルドの筆頭達の会合が行われる議事堂の中へと進んだ。