王家の秘密 峠の宿場町で、一泊する。 皆で食事をして、俺達はレッサードラゴンの腸をホルモン焼きにして食った。 大変美味でした。食事の後、何もやることがないので、アキラと麻雀をすることになった。 せっかく日本人がいるのだから、日本人同士でできることをやってみたかったのだが――アキラも麻雀は好きなようだから問題ないだろう。「にゃー」 ベルが俺の足元にやって来て、脛にスリスリをしている。 彼女の背中を撫でながら、シャングリ・ラで麻雀牌を探す――よさ気なのがあった8000円だ。「ポチっとな」 空中から、ピンク色の箱が落ちてきた。箱を開けると麻雀牌が現れる。「キ○ィーちゃんの麻雀牌かよ! さすがキ○ィーちゃん、仕事選ばねぇな。マジでパネェっす」 アキラには受けたようで、ゲラゲラと笑っている。彼は笑っているが、デザイン的にも中々洒落ていると思うんだが……。「結構、良いデザインだろ?」「しかし、こんなものまで出てくるとは――ケンイチの能力はどうなってるんだ?」「俺に言われてもな。この能力をくれた神様? に言ってくれよ」「なんでも出して、この世界で売りまくれば、あっという間に天下じゃねぇか」「物をつくるには対価が必要なんだよ。対価に金貨を使ったりすると、この世界から金貨がなくなって経済が破綻するぞ?」「……あ、なるほど。そうだな」 アキラは大学に行ってたらしいから、このぐらいの理屈は分るだろう。「大学休学して、世界旅行したって言ってたけど、卒業はしたのか?」「いや、そのまま中退してしまった」「金が勿体無いな――親に出してもらったんだろ?」「いや、親父の保険金を使ったからな、はは」 ちょっと地雷っぽい話になったので、ここら辺で止めておく。 ついでに麻雀マットも購入。4人打ちなら、全自動麻雀卓を買うという手もあるな。 テーブルをもう1つ出して、麻雀マットを広げた。