あー……。膝枕は最高だな。人の肌ってどうして触れていると落ち着くんだろう……。「俺もうここから離れない……」「いや、それは流石に困るっすけど……」「あれ? レンゲ? 帰ってたんだ」「はいっす。さっきホクホク顔のウェンディさんと交代してもらったんす。話は聞いたんで安心するっすよ! もう虫ゾーンは抜けたっすからね!」「そっか……。もう虫いない?」「いないっす! 今は獣ゾーンっすからね。自分達があらかた街道沿いの獣は狩ったんですいすいっす!」「そっか……良かった」「それにしても主様弱りすぎじゃない? ちょっと私達の主人としては情けなさすぎるんだけど」「はい……。ごめんなさい……」「ああ、もう! ソルテこんな弱ってるご主人をいじめるなんて人としてどうかと思うっすよ! あーよしよし。お尻は触るの無しっすからね」「……ちぃ」どさくさに紛れて触ろうとしたのに先に釘を刺されてしまった。「今舌打ちしたわ!」「何言ってるんすかソルテ。今のご主人を見てよくそんな事が言えるっすね」「したんだもん! 本当だもん!」「はいはい。ほら、膝枕交代の時間っすよ」「もういいでしょ! こいつ絶対元気だもん!」「こいつはダメっすよ。ちゃんと主様っていつもの呼び方で瞳にハートを浮かべないと」ほう。ハートとな。ああ、グッバイ至高の太ももよ。そしてカモンツンデレな太もも。んー。ソルテの足ってしなやかで結構膝枕気持ちいいんだな……。前のときは飛び上がったから感触を忘れてしまっていたんだよな。「ハ、ハハハ、ハートなんか浮かべてないわよ!」「えー気づいてないんすか? 冒険者ギルドに王都に行ってくるっすって報告しに言った時とか目撃者多数なんすけどね」「その時に凹んでいた男冒険者も見えていないんだろうな……」へえソルテって意外ともてるのか。きゃんきゃんやかましいから男に相手にされないのかと思ったら……。まあでも外面は可愛いしな。おっぱいは……うん。来世に期待だ。「アイナまで!? え、私そんな?」「そんなっす」「そんなだな」「アイナも人のこと言えないっすけどね。まあアイナは『主君を守り通す!』って感じのやる気の炎っすけど」「それは当然だ! 主君は私が必ず守ると誓ったからな! ただ、最近はあまり一緒にいられないから少し寂しく思う……」「乙女っすねえ。寂しいならどんどん自分から行かなきゃだめっすよ! シロさんも言ってたっす。チャンスを無駄にしたら負けるっすよ!」「そういうレンゲはどうなのよ! あんた男嫌いだって言ってたじゃない!」「んー。ご主人にはもう全部見られてるっすからね……皺の一筋に至るまで……」見たねえ。だってあれはほっとけなかったし。いくら長旅帰りな上に冒険者だからっておろそかにも程があったからな。今じゃすっかりつるっつる族よ。「ああ……えっと、ごめん」「謝らないでほしいっす……。あとご主人、その体勢からズボンどころか下着の中に手を入れようとするのは流石に見過ごせないっす」「っちぃ、ばれたか」「ばればれっすよ。もう。そういうことするのは二人きりの時にお願いしたいっす」「ほらほら! ほらやっぱりしてた!」「ソルテは何を言ってるんだ?」「さあ? わかんないっす」「嘘でしょ!? 舌打ちよ! さっきまで何の話をしてたつもりなのよ!」「ご主人にキュンキュンソルテたんの話っすね」「主君にときめいてるソルテの話だな」「俺にきゅんきゅんときめいてるのソルテ?」「んなわけないでしょ! ぶっ殺ワオオオオオオオオオン!」「あーあー。馬鹿か」