「えっ! と、突然なんだよ!」
と言って、アランがあたふたとしはじめた。
ああ、駄目だ私。ヘンリーがあんな考え方をしてるから、他の魔法使いがどう思っているのか……疑ってしまった。アラン、ごめん。
アランは友達だ。アランもきっと同じ気持ち。今まで一緒にいたんだから分かる。それを疑うのは、逆に失礼だ。
「いえ、ごめんなさい。アランは、私の大切な友達、ですもんね」
そうだ、家畜とかそんな風に思ってない。
ヘンリーは特別だ。多分、この世界には下衆界というのがあって、ヘンリーはそこの王子的な感じに違いない。
アレを魔法使いの基本と考えるのはやめよう。
アラン、キミの友情を少しでも疑ってしまってごめんよ! そう思って、アランをみると、なんか不満そうな顔をしていた。
「どうしたんですか?」
「友達、だけど、でも……なんか……」
なんか言いにくそうにしている。
あ! そうか……私とアランって……。
「そうでしたね、アラン。私と貴方は親分と子分の関係でもありましたね」
「いや、そうだけど、そうじゃなくて! それなら友達のほうがまだしっくりする!」