フェルもゴン爺も自信満々だったのに……皆さま、あけましておめでとうございます。今年も「とんでもスキルで異世界放浪メシ」をよろしくお願いいたします! 俺たち一行は、ルバノフ神聖王国と小国群との国境に広がる深い森の中に留まっていた。 というのも、朝にカレーリナの街を発ち、その日の夜にはルバノフ神聖王国へとたどり着くことは可能ではあったのだが、夜にルバノフ教総本山を潰しても目撃者が少なくなるんじゃないかと思ってね。 そうなると効果がイマイチになりそうだし。やっぱり、こういうことは目撃者が多数いることで絶大なインパクトを与えられると思うんだ。 そういうことから、みんなと話し合ったうえで、この森で一泊して、翌朝、ルバノフ教総本山に乗り込むことに決まった。『そうと決まれば腹ごしらえだ』『うむ。明日の大一番に備えてな』『たらふく食って備えるべし、だな!』『スイもいっぱい食べる~』「そんなこと言ってるけど、明日に備えてって、みんながいっぱい食うのはいつものことじゃん」 毎食毎食たらふく食ってて何言ってんだよって感じだぞ。 それに……。「どうせ明日の朝飯だって腹いっぱいに食うつもりなんだろ?」『何を当たり前のことを』『当然じゃな』『ま、明日の朝は明日の朝だもんな』『明日もいっぱい食べるよ~』 君らみんな潔すぎだからね。 たまには遠慮してくれてもいいんだよ。 って、食いしん坊・・・・・カルテットには無理か。 そう思って苦笑いしながら夕飯の用意をしていく。 とは言っても、カレーリナで作ってきたからアイテムボックスから出すだけなんだけどね。 今回の件、フェルたちがどうにかされるなんてことは万が一にもあり得ないだろう。 けど、演出上、みんなにはちょっとした小芝居を打ってもらうことになっているのだ。 人語がしゃべれるフェルとゴン爺の役割は特に重要。 そこで、ゲン担ぎにとこれを作ってきた。「はい、カツ丼」