目が覚めると、両腕を複雑骨折していた。痛みに吠えたら見慣れた養護教諭のババアが頬にむちゅりと唇を吸いつかせて、げっそりと精神的に削れるのと反比例して腕の痛みが引いていくのが分かった。朦朧とした記憶、腕も使い物にならなさそうなほど疲弊したデクが俺に向かって、血塗れの掌を懸命に伸ばしているのが記憶にある。その必死な表情、しかし揺るがない覚悟の瞳。デクの意志は、言葉にされずともすぐに察した。こういう時だけ腐れ縁は有効らしい。いや、言葉で分かり合って来なかった自分たちが、少しずつ言葉を交わして、少しずつ理解しようとしてきた土台に、言葉よりも雄弁な瞳がうまいこと乗っかった偶然のようなもんなのかも知れない。