「コウお母さん、私、あんなの見てられない……私、魔法を……わっ!」 しゃべっている途中でコウお母さんに抱きしめられた。「わかってる! わかってるわよ! 私だって、リョウちゃんの立場なら同じことをしようとする。あんなの、あんなのを見せられたら……でも」 と一度言葉を切って、コウお母さんは、抱擁をやめて私の目を見た。「私たちはずっと、魔法使いとそうでない者とで区別しながら生きてきた。それが当たり前だった。今、リョウちゃんがしようとしていることは、その当たり前をなくすこと。それが明るみになったとき、リョウちゃんに何が起こるのかわからない。良いことばかりじゃない。悪いことだって起こる。……リョウちゃんにそれを受け止める覚悟はある?」 真剣なコウお母さんの瞳が少し潤んでいる。