コウお母さんのその言葉に、ありがとうを込めて何度も頷いた。 もう私は、大丈夫。 どんなことでも乗り越えられる。 それだけの強さを持っている。 コウお母さんが私を愛してくれた。 アランやシャルちゃんにカテリーナ嬢、サロメ嬢、リッツ君に、カイン様に、バッシュさんにトーマス先生に……もう数え切れない人たちとの出会いが、私を強くしてくれた。 だから私は、これからも自分を信じて見失わずに生きていくことができる。 例え、コウお母さんやみんなと離れることになろうとも、自分らしく生きていける。 寂しさで泣くのはこれが最後だと、そう思って流したその最後の涙が、コウお母さんの洋服に大きな染みを作っていた