前述したチェスブロウ著 『Open Innovation』 (2003年) では、 オープンイノベーションは企業 における新技術の研究開発に焦点を置いて語られている。 一方、 同著でチェスブロウは外部 資源 ・ 技術の取り込みや社内外の連携強化を促進するためには、 組織内のビジネスモデル の変革も必要であることを示唆しており、 2006年にはオープンイノベーションの第2段階として ビジネスモデルのオープン化に焦点を当てて議論した著書 『Open Business Models: How to Thrive in the New Innovation Landscape』を発表している。さらに、 2011年には、 ITの急速な発達等の影響を受け、 今後市場がプロダクトからサービ スやプラットフォーム中心に移行する予測に基づき、 顧客の体験や声を積極的に自社のサー ビス開発に取り込むべきとした著書 『Open Service Innovation: Rethinking your Business to Grow and Compete in a New Era』 を発行した。 このように、 オープンイノベーションの定義が 初めて発表されて以降、 オープンイノベーションが適用される範囲や手法も変化を遂げてきた。