黒いマントと赤いマント
交差しながら踊る中を、
「書けない、書けない!」
シェイクスピアの登場だ。
シェイクスピア、つまり上川さんは、栗色のウェーブのかかったセミロングくらいの髪を後ろに1つに結わいて、
上手の執筆机で、苦悩する。
ローズ座オーナーの秋野さんがいい味を出している。
上川さんの絡みで笑いが溢れる。
上川さんは、観客の呼吸を掴んでいる。
なので、やすやすと笑わされてしまう。
そして、やすやすと心を揺さぶる。
ヴァイオラを見て恋に落ちた瞬間の空気の変化、
真剣に惹かれあった2人の心が、
ロミオとジュリエットの劇中劇としてえがこれていく。