(異界ゲートではあるまいし……) セレスティーの心配事はそれではない。「はい、調べさせています」「もっと悪い知らせがあるのよね?」「お察しの通りです。新たに小さな異界ゲートが三つ開きました。これで八つになります」「わたしが幽閉されてから二年に一つのペースね。予想したよりは少ないわね」「これからも監視を続けますが、やはりセレスティーさまを救出しないことには埒があきません」「そうね……。異界ゲートの監視に人員を傾けるよりは、王子さまの捜索に力を入れたほうがよさそうね」「王子さまとはどなたでしょうか? セレスティーさまを助けることができる人物に心当たりがありません。まさか龍神族?」「そんなことはありませんわ。王子さまは白い衣装を着て、白馬に乗ってわたしを迎えに来ることになっています。シルキーさんに訊いてくださいな」 シンデレラ・シンドローム(死語)の典型的な症状である―― ゼラキエルとしては苦笑するしかない。「このままではセレスティーさまの精神状態が心配です。その……王子さまの捜索に力を注ぐことにします。それでは失礼!」 彼女は慌てた様子で翻った。「ちょっと待ちなさい、ゼラキエルさん」「はい、何でしょうか?」「今度来るときにはお土産を忘れないでね」 ゼラキエルの顔が再び紅く染まった――