ね、そうでしょう?と小首を傾げてこられても、僕は神様じゃないから分からないかな。もしかしたらシャーリーなら分かるのかもしれないけれど。 そう思い、振り返りかけたところで袖を握られた。 いつになく甘えるように肩に頭をころんと乗せてきて、すぐ目の前に長耳が揺れる。「すごく楽しかったわ、今年は。海がすごく綺麗だったり、日本で過ごしたり、古代迷宮に挑んだり、私はたくさん初めてのことを知ったわ」「うん、日本語もしっかり覚えちゃったからね」「ええ、漢字だってもうほとんど平気」 ふふんと得意そうに笑うけれど、頬がほんのりと赤いので可愛らしい表情だ。 そして薄紫色の瞳は横に逸らされる。どうしたんだろうと思っていると、言いにくそうに唇を開く。