その日、いつになく夕飯どきは賑やかだった。 呪いの言葉と思えるほど少年は怨嗟の声をあげ、そして悲鳴と絶叫が響き渡るという……これ、本当に民放で流していたの? そう問いかけたかったけれど、彼女は「ここからが凄いの」と自信満々に言ってくると……。「面白いアニメだね、マリー。じゃあお風呂に……」「良かった。じゃあ2話目を流すわね」 即座にリモコン操作をされて、僕は「これがオタク文化の洗礼か」と笑顔のまま固まった。 そのように苦悩をしながらも、僕の頭は柴犬とどうやってお友達になれるかを考え始めていた。 犬の気持ちが分からないのは僕も一緒なのだし、たぶん習うよりも慣れたほうが良いだろう。あとは今のうちにネット情報を漁るとしようかな。 残酷なテーマソングを聞きながら、そう僕は思った。