自分の行動や考えが、自分のものではないような奇妙な感覚に襲われる。 なんだよ――あの葉っぱは副作用ありまくりじゃねぇか。 戦闘の度に葉っぱを噛みまくってたら、そりゃ頭がおかしくなるわけだ。「旦那! 召喚獣ってなんだよ? そんな凄い魔法が使えるのか?」「ケンイチは凄いのが使えるにゃ」「なんだよ! それじゃ、もうやるしかねぇじゃねぇか」「ウチもやるにゃ!」 聞くな――小悪魔達の言葉に耳を傾けるな。「……と思ったが、止めよう」「ええ?」「うにゃ?」 飛び上がった獣人達が、椅子にペタンと座った。「プリムラも、あまり荒事は望まないだろう?」「はい……商人には商人の戦い方がありますから」「それで、いい方法はありそうか?」「それが、まだ……」 プリムラは、また下を向いてしまった。「それで、貴族との繋がりを作ろうとしたのか。カメオを売った貴族に仲裁は頼めないのか?」「今の状態で頼み事をすると、不利益の方が大きいでしょう。貴族に借りを作るのは得策ではありません」 カメオを売ったぐらいでは、アドバンテージにはならんみたいだな。まぁ相手も大金を払っているだろうし。 何か貴族に恩を売れる方法でもあればいいんだが。 同じ8○3に仲裁を頼む手もあるようだが、それには金が掛かる。それに、8○3といっぺん関わりあうと中々手が切れなくなる。 それは、この世界でも同じらしい。「う~ん、もっと貴族に大きな貸しを作った方がいいって事か。とりあえず保留するとして――それで、どうする? しばらく店は休むのか?」「はい。雇った女の子達に何かあれば、親御さんに申し訳がたちませんし」 丁度いい機会なので、彼女は予定通りに帳簿の整理をするという。「それじゃ、俺達はダンジョンの方へ集中しよう。近所の洞窟に、あんなのが住み着いていたんじゃ、安心して暮らせない」 それを聞いたニャメナが椅子から立ち上がった。