全力で断ったら、「なら私が言ってくる!」と教室に乗り込んで行きそうになったのを、周りの子達が「お願いやめてー!」と必死に止めていた。古東さんは「だって麗華さんが…」と口を尖らせた。古東さん、先輩のことが大好きだよね?
その古東さんから僕は丁稚と嬉しくないあだ名を付けられた。最初は「貴方、南雷太って言うんでしょ。だったら略して見習いね。今日から見習いと呼ぶわ」と言われ、そんなあだ名イヤだと言ったら、「じゃあ見習いだから丁稚」とさらにろくでもないあだ名にされた。切ない…。でも僕のあだ名が丁稚になってから、声を掛けてくれる人が増えた気がする。強力な後ろ盾がいるから丁稚でもパシリにされることはないし、みんなが僕を覚えてくれる。だったらまぁ、丁稚でもいいかな…?