なんとか連絡をとって、さっそくお城にお邪魔することになった。 わざわざ陛下直々って、何を言われるのだろう……。 トーマス先生は、マッチの功績について褒めてくれるんじゃないか? とか楽天的なことを言っていたけれど、もし違う話だったら……どうしよう。 例えば、私が約束された勝利の女神って呼ばれていることについて、非魔法使いのくせに女神などと大層な名前で呼ばれやがって! みたいなことを責められたりする可能性とかある。 だって、クロードさんの話だと貴族の間でもその名前が知れ渡っているって聞いたし。 それか、ウ、ウヨーリ教のこととか……。 王様がどこかでウヨーリ教のことを嗅ぎつけて、釘を刺しに来るような可能性だって、ある! ウヨーリの事は、どうにかするつもりだし、どうにかするために考えていることはある。 でもまだ上手くいく確信が持てない……。 でも、一番最悪なのは、私が生物魔法を使えるようになっているって気づかれることだよね。 そうなったら、きっと私命がない気がする……。 色々最悪な出来事まで想像しながら、王城へ向かう。 不安しかない私は、コウお母さんに城門の前まで一緒に来てもらった。 けれど、城門の向こうは私しか入れない。「なんか変なことされそうになったら、すぐに逃げるのよ!」 とコウお母さんがすごい剣幕で私にいうので、私も力強く頷いた。 何かあれば、逃げる。 脱出用に煙玉も作ってきたし、準備の良いコウお母さんが、なんと馬も用意してくれる。 王様の出方によっては、私、コウお母さんと王都逃亡の上、山賊生活に戻るかも……。 さよなら、王都。さよなら、学園のみんな。 私は、旅立ちます。 最後にシャルちゃん達グエンナーシスのみんなに会いたかった……。 なんて感傷に浸りながらお城に入城した。 お城に入ると、案内係の人に案内されるまま待合室に入った。 待合室には、思ったよりも人がたくさんいて、ちょっと話を聞いてみると、なんと全員王様とこれから謁見する予定の人たちらしい。順番待ちな感じで、中には私より後ろの順番で会う予定の人もいた。 結構、王様って、人と会うんだ……。 なんか意外。魔法使いの王様だから、そうやすやすと会わないのかと思ってた。 私が呼び出されたのってそれほど珍しいことじゃないのかも……? だいたい、王様に生物魔法のことを知られていたとしたら、わざわざ城に呼ばないで、なんか暗殺者とか使って問答無用で殺されるか拉致されるかするはずだ。 やっぱり、トーマス先生が言うように、マッチの功績を讃えるための謁見の線が堅い気がする。 そう思うと何だか落ち着いてきた。