「それで、愛ちゃんから見た海斗ちゃんはどうだったわけ?」 これ以上は暴言を吐かれる気しかなかったから、少しだけ話を変える事にした。「自分の見た感じではまだよくわからないといった感じですね。ただ、アリス様を観察するようにジックリと見ていた時は、目を潰してしまおうかと思いました」「何を怖い事言ってるの!?」「いえ、まぁそんな事をすれば、アリス様がお怒りになられるのでしませんでしたが……」 うわ、この子冗談と言わなかった! アリスさんが許せば本気でやってたって事だ! これだから武闘派は怖くて嫌になるよ!「しかし――かなり面白い人材だという事はわかりましたね」「それはあの少年だったからでしょ?」「いえ、そうではありません」「へぇ――じゃあ、何?」 愛ちゃんの言葉が気になった私は、そう尋ねてみる。 だって、あの少年だったって事以外で、何に愛ちゃんが興味をもったのか気になるもん。「内緒です。特にあなたの様な人間が知って良い事ではありません」 「えぇ!? そんな気になるような事言っといて!?」「はい。おっと、長電話をしてしまいましたね。もうアリス様の傍に戻らないといけないので、電話を切ります。とにかく、神崎さんのお願いは素直に聞いてくださいね。そして、見返りなど求めないようお願いします」「あぁ……はいはい、わかったよ。そのかわり、もしもの時は頼むよ?」「もちろんです。それでは失礼します」「バイバイ」 私はそう言って、電話を切った。 それにしても――おかしなことになったなぁ……。 昔から愛まなちゃんや紫之宮愛あいちゃんの話を聞いてて知ってたけど、お金持ちって本当ロクでもないよね。 弱肉強食。 周りの人間を食い物に出来る人間こそが、上に上がる事が出来、生き残れる世界。 そしてそんな世界に居る人間は、全員似た様なものだと言っていた。 はぁ……私は庶民に生まれて本当に良かったと思うよ……。 海斗ちゃんはそんな世界に住む人間達と渡り合おうとしてるんだよね。 頑張れ、海斗ちゃん……。 私は海斗ちゃんの健闘を祈ると、気分転換に華恋ちゃんを愛めでにリビングに戻るのだった――。