「じゃあ、せめて送るよ」
「平気ですわ。家の車が迎えに来ますから。どうぞお気遣いなく」
「麗華お姉様、だったら私も乗せて行っていただけますか?」
「もちろんよ、麻央ちゃん」
「う~ん、本当に平気?」
平気平気と、私達は機嫌良く頷いた。
エリカさんは「また今度絶対に会いましょうね?麻央ちゃん、私のこともお姉さんって呼んでくれると嬉しいな」と言い、麻央ちゃんは恥ずかしそうに笑った。
そして私と麻央ちゃんはにっこり笑顔でカップルを見送ると、そのまま反対方向へ無言で歩き出した。
「…麻央ちゃん、どこか入りましょうか」
「…はい」