私は、危険を承知でここまでついてきてくれたアズールさんに感謝しているし、一緒に旅をともにする仲間という意識だってある。 だからこそ、そのうちアズールさんには、大事な話をしないといけない。 アズールさんは、王国の騎士だ。いつか、王都に帰るはず。 でも、もうアズールさんには、ウヨーリ様なるものを信仰しているルビーフォルンの現状を知られてしまっているし、マッチを作っているのは本当は私だということだってバレてしまっただろうと思う。 そして、神殺しの短剣のことも……。 できれば、アズールさんをもう王都には返したくない。 大雨に見舞われたルビーフォルンのことを考えるのに必死で、一緒についていきたいと言ってくれたアズールさんが嬉しくて、その好意に甘えすぎてしまった。 私の配慮が足りなかったばかりに、アズールさんはルビーフォルンの実情を知りすぎてしまった。 そのことを伝えないといけない。 アズールさんにルビーフォルンにとどまって欲しいと伝えたとき、彼女が一体どのような反応を示すのか、もし拒否したときに、私はどうすればいいのか、どうするべきなのか……。