「これはこれは。護衛の騎士殿に戦ってもらう手間が省けましたね」 軽口を叩くかのように、ルストが言った。「……この事態は、あなたにとっては想定外だったということ?」「わたしの予想では、警備がそこの扉を守っているはずでした。ただし、偽の警備が」 じゃあ、その偽の警備がいないってことは、向こう――『従』の計画に支障が生じた?「バークスが善戦したのかもしれませんよ。――なんにせよ、この扉を開ければはっきりするでしょう」 ルストによって、誘うかのように、青い両開きの扉が示される。私の頭の中でアレクの顔が思い浮かんだ。 自分がいない間に私が『空の間』に入ったって知ったら、悲しむかもしれない。自分から危険に飛び込むような真似をしていることも。 でも――シル様の安否がかかってる。それに、一人で立ち向かうわけじゃない。「クリフォード」 その名前を呼ぶ。「は」吐き捨てた