その男、第3魔道騎士団長のイーノックは、軽くうなずいてみせた。「例の剣は、確認の結果、300年前の『超黄金時代』にのみ作製可能だった効果変動型の剣だということが判明した。つまり、持つ者が強ければ強いほど攻撃力と速度が増すということだ」「マジか!! 正真正銘の宝剣じゃないか!!」「効果変動型というと、王国にも三振りしかありませんよね。しかも、三振りとも300年前から王家に代々受け継がれてきたものです。それ以外は、この300年で一振りも見つかっていない。そんな剣が、どうして、今頃見つかるんですか」「ドルフ副団長が、館の武器庫から見つけたと言っていたが、あの家はまだ騎士家になって100年も経っていないだろ。なんで、300年前の宝剣が入っているんだ。おかしいだろ!」「しかし、ドルフ副団長もフィーアも、証言は一致しているんでしょう?」シリルの質問に、デズモンドは目を眇めた。「その通りだ。二人とも、オレが直接確認した。どちらも、嘘は言ってねぇ」そして、デズモンドは、考える時の癖で指で軽く髪をすく。「……つうか、気持ち悪いな。多分、この不可思議な点と点は、一本の線でつながるはずなんだ。だが、その線が見えねぇ」「もしかしたら、あなたが想像もしていないような要因が隠れているのかもしれないですね。……ところで、そろそろ、フィーアに構うのはやめてもらってもいいですかね。私の団所属ですから、彼女はもう、うちの子です。あなたに許したのは、フィーアから聞き取りを行うことだけで、ここまでですよ」「分かった。多分、これ以上フィーアから聞き出せることはない。しかし、フィーアは拍子抜けだったな。ほら、総長との模擬戦じゃあ、弱点を狙って勝ちにいったのに、騎士道ですなんてうそぶいていたろ。どんな腹黒いのが出てくるかと楽しみにしていたのに、蓋を開けたら、驚くほど単純で素直だった」「よいことじゃないですか。じゃあ、もう、フィーアにつきまとわないでくださいね」「オレは、仕事をしていたんだ! 執着系の変態みたいな扱いはやめろ」言い合う二人の騎士団長と、酒を楽しむ一人の騎士団長。こうして、上級娯楽室の夜は更けていった―――……