このような消費者行動を理解する枠組みとして、パーチェ
ス-ファネルという言葉が広く使われるようになってきた。消費
者が商品を購買(パ一チェス)する際に、商品を「認知」する段
階があり、その後に商品購買を「評価‘考慮」し、「試行」を経
て購買を行うという各々の段階をファネル(じょうこ0の形に
表したものである(図7〕。例えば当該市場の80ブ。の人が商品
を認知していても、購買を考慮する人は50ブ。になり、試行をす
る人が30兌になり、購買する人が20ブ。というように、各段階
で顧客が「漏れ」てしまう。ファネルの各段階をどう定義する
かは、その商品を購買する際の消費者行動によって異なる。
マス広告は一般的にファネルの最上部である認知を增や
す効果があるとされてきた。既に認知が高い商品の場合、マ
ス広告を打ってち認知がさらに増える効果は通減し、一方で
認知以降のプロセスでの漏れを全く解決できない。ネット広
告は購買を考慮する段階の人に、必要な惝報を与えることに
なるので、認知以降での漏れを防ぐ効果がある。マス広告を
使って認知を80么から90ブ。に上げることは高価であるもの
の、購買者を207。から30ブ。に上げることができるわけではな
し、。ネット広告で考慮する人を50ブ。から60ブ。に上げることは
相対的に安価であり、かつ購買者を增やす効果も相対的に高
し、。このようなことが経験的に広く知られるようになってき
たことが、マス広告からのシフ卜を生み出してきた。