「まぁ、プリムラの護衛として、ニャメナは必要だな」「ぎゃー! こいつは信用出来ないにゃー!」「そんな事はないだろ、なぁプリムラ?」「ええ、とても正直な方ですよ」「ぎゃー!」 ミャレーが煩うるさいが――彼女は俺が作る料理と酒が目当てのようだ。護衛や狩り手としても優秀なようだしな。「プリムラが良ければ、俺はいいんだが」「そうですわね、ニャメナさんの目当ては料理と酒のようですし」 プリムラの目が、俺の方を睨んでいるのだが――別にニャメナに興味はないぞ。 嫌なら断ればいいと思うが、彼女としてもニャメナは欲しい人材なのだろう。 女で腕の立つ護衛ってのは中々いないからな。男の護衛だと余程の人物でなければ信頼がおけないだろうし。「この家は、もういっぱいなので、離れの小屋で寝る事になりそうなんだが、それでいいか?」「別にいいですよ~寝るだけですし、雨風凌げればぁ。今、借りてる部屋だって屋根裏で狭いネズミの住処みたいな所だしぃ」 ニャメナの呂律が少々怪しい、ブランデーが回っているようだ。「解った、それで良ければいいぞ。飯は保証する」「やったぁ!」「ふぎゃー!」「ミャレー、別の場所に寝るって言ってるんだからいいだろう?」「あみゃみゃみゃ……」 ミャレーが尻尾をブンブン振り回しているのだが、これはイライラしているのだろう。 だが、あの小屋で彼女がうん――と言うかな? すでに辺りは真っ暗だ。小屋を出して準備したりするのが間に合わないので、ニャメナの住処を用意するのは明日にする事にした。 飯を食い終わって後片付けをすると、家の中へ入りプリムラは明日の料理の準備を始めた。「ケンイチ、熊の肉ってまだありますか?」「ああ、まだまだタップリとある」 何せ、肉だけで数百キロだからな。毎日1kg食っても1年近く掛かる。 ミャレーは、ニャメナと俺との間に入って、彼女を近づけまいとして威嚇を繰り返している。 そんなに警戒しなくても。 明日は、プリムラと一緒に街へ行って溜まっている獲物を換金したり、道具屋の婆さんの所でオレンジ色の石の値段を聞いてこようと思う。