「この酒をもらっていいんで?」 白黒斑の彼は身体を起こすと、両手で酒を受け取った。「ああ、獣人は綺麗好きだろ? こんな場所でどうやって身体を綺麗にしているのかと思ってな」「へへ……おお! うめぇ! 強いけど、こりゃ美味い酒だ」「隣の領にあるカズラ湖まで走っているのか?」「最初は、毎日行ってたんでやんすが、森の中で泉を見つけましてね」 彼の話では2km程、森の中へ入った所に泉があると言う。 木々の切れ目に大きな凹みがあり、そこに水が溜まっているらしい。地下水が湧き出ているのか? それなら、コ○ツさんで大穴を掘れば、水の確保は出来そうだが……。「綺麗な水か?」「ええ、もちろんでさぁ」 隣の領にある湖までは片道20km以上あるというからな。獣人の脚なら2kmは大したことはないだろうが、普通の人間じゃちょっと大変だ。 近くに綺麗な泉があるのならコ○ツさんを動かすより、水の確保を獣人に頼んだ方が得策だ。「お~い、獣人達、ちょっと酒代を稼がないか?」 横になっていた、獣人達がむくりむくりと身体を起こして、こちらを見つめている。 俺はアイテムBOXから、20L入る白いポリタンクを取り出した。「この容器に水を持ってきたら、酒をカップに一杯やる。この男が今飲んでいるが、美味いぞ」「おう! 強くて、マジで美味い酒だぞ」 獣人達が、俺の周りに集まってきた。「その容れ物の数はいくらあるんでやす?」 さて、風呂一つで120Lぐらいか……2つで240L。20Lのポリタンクが20個あれば、色々と水を使っても足りるか。「20個あるから、20人に酒をやる」 シャングリ・ラから、ポリタンクを20個購入すると、ガラガラと黒い空から白いプラ容器が降ってきた。「よっしゃ!」「俺によこせ!」「バカ俺だ!」「こっちは5日ぐらい飲んでねぇんだぞ」「んなことしるかボケ」