「俺ァ一人でも勝てたけどな」と、勝己は冗談なのか本気なのか分からない、けれどいつも通りの勝己のまま言った。手すりに気だるそうにもたれかかりつんつんした髪が風で乱れるのも構わないようにただ横柄に逞しく、変わらずにそこにいる。ワン・フォー・オールを勝己に譲渡したつもりだったのに、未だその力は出久の中にある。譲渡しきる前に勝己が気絶したからかと思ったが違う、とオールマイトは言った。力を繋いで来た人達が起こしてくれた奇跡だろう。そう言って、その落ち窪んだ目の中に今なお明るく輝く青い目を潤ませていた。そんな事が、と出久も思ったが、心操戦でも力を貸してくれた方々だ。継承者に寄り添い力を貸してくれたに違いない、と今では出久も確信していた。あれが最善で唯一の策で、そして勝利を収めることができた。けれど、「腕、痛まない?」