「あの、ケンイチ。王族の方々が真珠もご所望なのですが……」「ああ、相手が王族ならいいぞ」 商品を片手に王族に取り入って、マロウ商会の王都進出のコネを作るらしい。 今までは、王妃と王女のコネを使おうとしていたのだが、その二人がヤバくなったので、他の王族に乗り換えるつもりなのかも知れない。 我が妻ながら、さすがしたたかだ。いつものとおりに夕食を食べ終わって、皆で暇つぶしにゲームをやる。 そして後は寝るだけ――だが問題が持ち上がった。 女性陣がお城に泊まっているので、王女とメイドさんに俺の家を開放した。 俺と獣人たち、そしてアネモネはテントの中。 だが、リリスが俺の所へやって来て一緒に寝るというのだ。 俺の目の前に――寝巻きに着替えた彼女が、腰に手を当てて立っている。 俺がシャングリ・ラで買った、うすピンク色のリボンがついたワンピースの寝巻きが、とても似合っている。 いや、そうじゃない――王族と同衾? う~ん、どうしよう……。