それでも、1時間程運転していると、かなり慣れてきた。 なんとかなりそうだ。だが、めちゃくちゃ神経を使って、ヘトヘトになった。 日も傾いてきたので、今日の作業は終了。明日から本格的な作業に入る。とりあえず飯を食おう。 ホイールローダーから降りると、アイテムBOXへ収納してみる。こんなデカいのがマジで入るのか?「ホイールローダー収納!」 オレンジ色の巨大な車体が、吸い込まれるように消えた。「やった! よかったぁ!」 そのまま、ふらふらと歩いて、獣人達が油の処理をしているテントへ倒れ込んだ。「旦那、どうしたんだい?」「どうしたにゃ?」「つ、疲れた……」 獣人達が作業を中断して駆け寄ってきてくれた。「俺が膝枕してやるよ」「それじゃウチは、毛布代わりだにゃ」 そう言って、ミャレーが俺に覆いかぶさってきた。「ああ~、もふもふじゃ~」 腹の上にいるミャレーを撫でる。 しかし、ちょっと身体を起こして、アイテムBOXから缶コーヒーを取り出すと、一気飲み。 疲れた時は、これが効く。「ふうぅぅ~」「旦那、随分と疲れているようだけど、あの新しい召喚獣のせいかい?」「ああ、あれを操るのは初めてなんだよ。それで、一歩間違うと谷底だろ? こんな所で落ちたら、間違いなく死ぬからな」「大変そうだにゃ」 そこへ、アネモネがやって来た。「ケンイチ、夕食食べる?」「ああ、食べる食べる。腹減ったわ」「俺達はここで食うよ」「そうだにゃ」 テーブルへ行くと、すでに王女が餃子を頬張っていた。「はふはふ――この料理も中々美味いの! 城で出てくるパイ包み料理に似ているが、美味さを凝縮した感じじゃの!」 王女は、醤油とかラー油を使って餃子を食べているのだが、発酵食品も平気のようだ。「あふ――中から美味しい汁が……」 メリッサも美味しそうに食べているので、味に問題はない模様。 俺も食ってみるか――中々美味いな。脂身がないパサパサした肉だから、脂を足して正解だった。 ラードとバターバージョンがあるが、どちらもうまい。もしかしたら他の肉との合い挽きもいけるかもな。 バターは塩気があるので、そのまま食べても美味いし、醤油に合わせても美味い。 そりゃバター醤油味とか、あるぐらいだからな、相性はいいだろう。「プリムラ! 君は食べなくていいのか?」「お客様がいるので! 後で食べます」 この場に踏みとどまっている商人達が、プリムラの作ったレッサードラゴンスープを食べるために並んでいる。