「ではカラオケは却下と。私の調べによりますと、遊園地が一番盛り上がるようですね。ジェットコースターやお化け屋敷などが人気です」「遊園地ならうちの会社がいくつが出資しているから、融通が利くぞ」「…貸切とかはやめてくださいね」 ひと気のない遊園地なんて、ちょっとしたホラーだと思う。シンと静まり返った遊園地で、ふたりだけで乗るジェットコースターなんて、別の意味で怖い。「これらを参考に、テスト明けまでに下準備をしておいたらどうですか?」「…わかった。考えておく」「それとアドバイスは私にではなく、親友の円城様に聞いてくださいね。きっと親身になって相談に乗ってくれますとも」「ああ」「あ、それからくれぐれも約束もないのに、高道さんのお家に突然訪問するようなことはしないでくださいね。迷惑になりますから」「…ああ」 さて、これで今日のミッションは終了。私も早く家に帰って試験勉強をしないと。 腕を組んでデート先を考え込む鏑木に、あんたも色ボケしてないで試験勉強しなよと言ってやりたくなったが、あえてここはライバルをひとりでも減らすために黙っておく。 お先に失礼、ごきげんよう鏑木様。 夜、電気を消してベッドに入った私はふと思い立ち、布団から左手を出して暗がりの中で指先をじっと見つめた。開け、サードアイ。 オーラは見えなかった。