ゆっくりと日がくれてゆく道を、車は走っている。 車内が静かなのは当たり前かもしれない。プールで遊んで疲れきったところで美味しいラーメンを食したならば、あとは気持ち良くお昼寝を楽しむ時間だろう。 だからプールへ行く時には車が欠かせないんだ。 すーすーと気持ちよさそうな寝息が聞こえ、ちらりとバックミラーを見れば、頭をくっつける姉妹のような寝顔を楽しめる。 これが僕にとっての「ごほうび」というものだろう。 区営のプールなんて入場料はたかが知れているのに、どれだけ楽しい思いをさせられるのか。 たぶんそれは、彼女らのワクワクが僕にまで伝染するせいだ。だから手をつないで歩くだけで、とても幸せな気持ちになってしまう。 安いプールに行って、ただラーメンを食べただけというのに、この日のドライブは終始、口元を緩ませるものだった。 おやすみなさい、2人とも。 目が覚めたらちゃんとお風呂に入るんですよ。