夏休みの私は忙しい。早朝ジョギング、夏期講習に旅行、芹香ちゃん達や桜ちゃん達とのお出かけもあった。お父様やお母様の付き合いに駆り出されることもあった。そしてその合間を縫っての図書館通い。もちろん目当てはナル君似の男の子だ。
なるべく近くの席を狙っているけれど、毎回そう上手くいくわけもない。そういった時には諦めて遠く離れた席でひたすら勉強するが、少しでも近くの席が空けば移動して距離を縮めていく。運良く隣の席に座れた時は体中が心臓になったみたいにドキドキした。横目で持ち物チェックをして、どうにか名前を知ることが出来ないか頑張ってみたけれどダメだった。これって一歩間違えば完全にストーカーだよね?でも後をつけることだけはしていない。それをやったら、人としてなにかが終わる気がするから…。だからまだ予備軍。
私の夢を叶えるための時間は残り少なくなってきているのに、本当になにをやっているんだか…。