「おおい! 旦那! 見てくれ、この銀貨の山! ははは!」 皆で数えると、小角銀貨が132枚あった。1枚5000円相当なので、66万円稼いだ事になる。 だが、ずっと渡しをしていた彼女は、ずぶ濡れだ。身体に直接、乾燥の魔法は危険なので、ジェットヒーターを出す。 轟々と出る熱風の前で、ニャメナが毛皮を乾かしている間に、金貨に換算する。「金貨にすると、3枚だな」「ひょ~! 昼前に渡しをしただけで金貨3枚かよ。どうだクロ助」「まぁまぁ、だにゃ」 そういうミャレーだが、ちょっと悔しそう。美味しい仕事だと思ったのだろう。「お嬢、旦那に分前はどのぐらい払えばいいんだ?」「3割程度でよろしいのでは?」「3割って金貨1枚だろ? いいのか?」「だって旦那の軽い船がなきゃ、こんな商売なんて出来っこないんだから当然だろ。半分でもいいぐらいだぜ」「そうですよ」 こういう商売をすると、7~8割取られる事も少なくないと言う。 まぁ、本人も納得しているようなので、金貨1枚分の小角銀貨を分前でもらった。 ニャメナの分を、俺のアイテムBOX内にある、ニャメナフォルダの中へ入れる。 そして軽く昼食を取る。だが、ニャメナは重労働をしてたので腹が減ったと言う。 簡単に四角いパスタと缶入りのパスタソースで済ませる事にした。「悪いね、俺だけ」「まぁ気にするな」 彼女は出来上がったパスタを大口でかきこみ、ワインで流し込んでいる。「んぐんぐ――ぷはぁ~! いや~金を儲けた後の酒は格別だね」 そして食事の後――俺達がテーブルやパラソルを片付けて、出発の準備をしていると、1人の商人がやって来た。 30歳ぐらいの男で、髪は茶色、藍色の上下に金のボタンをしている。 足元にはデカイ革袋がある。「なぁ、あんた、アイテムBOXを持っているんだろ?」「……まぁな」「頼む! 俺の荷物を王都まで運んでくれ」 ミャレーが言うには、渡しで乗せた客だと言う。とりあえず、荷物が渡れないので、自分だけでも王都へ向かうつもりだったのか。「断る。俺に利点も何もないからな」「金なら払う!」「量は?」「急ぎの荷物が、馬車半分程……」「それじゃ、金貨3枚だな」「法外な!」 別に法外であろうが、輸送代は俺が決める事だからな。 すると期限に荷物が間に合わないと手形が飛ぶ――とかなんとか言い出した。そんな事は、俺の知ったこっちゃない。「なるほど――手形が飛べば、お前の店も飛ぶわけだな」「そ、そうだ」「それじゃ、輸送代は金貨5枚だな」「何故、上がるんだ!」「荷物を運べば、お前の店は助かるんだろ? それじゃ俺は命の恩人じゃないか。命を助けてもらうのに、金貨5枚でも安いと思うが――」「そ、そんな金はない……」 商人は、下を向いたまま固まってしまった。