「帰りました~」帰宅の言葉と共に玄関の扉を開く。「あら、お帰りなさい。兄さん来てるわよ」迎えてくれた一番上の姉の言葉に須磨は顔を輝かせた。「ほんとですか!?」「嘘なんてつかないわよ」「やったぁ!兄さんに会えるの久しぶりです!」「ちょっと!手くらい洗いなさいよ!!汚いでしょうが!!!」リビングへと駆けようとする自分に、二番目の姉の怒声が響く。「そんなに怒らないでくださいよ~~。嬉しくってつい~」そんな自分達のやり取りが聞こえたのだろう、リビングから廊下を覗き込むように顔が現れた。「よぉ、久しぶりだな須磨」にやりと笑う奏そっくりの顔。「はい、久しぶりです!天元兄さん!」兄を前に先程の会話が脳裏を巡った。