実感を身体で得るわけですが、男性はそれが不可能。頭でのみ考えていると、どんどん怖くなるのではない
か。
それを別の言い方で言うのであれば、「自分好き」ということなのです。お話をうかがった子ナシ男性達も、
「したいことができなくなるのが嫌」
「子供がいない男の多くは、自分を含めて趣味の世界に生きている人が多い」
などと言っていましたっけ。自分だけの領域を、子供によって荒らされたくないのです。
知り合いを見ていても、たとえば鉄道模型だのクラシック音楽だの何かの収集だの、どこまで突き詰めても
キリが無いという趣味の世界にどっぷり
つ
浸かっている人は、子供がいない人が多い。そして、子供がいなくと
も、劣等感も
つう
痛
よう
痒感も欠損感も覚えていない様子。
もちろん、趣味と子供、両方を持つ男性もいますが、子を持ったはいいもののやはり趣味は捨てられず、
妻子を顧みずに趣味に没頭して家庭不和に……という人の、何と多いことか。
してみると、
「自分がしたいことを邪魔されたくないので、子供はいらない」
ときっちり宣言して子供を持たない男性というのは、実は思いやりが深いのかもしれません。大好きな趣味
があるのに何となく恋愛もセックスもしたくなってつい結婚し、妻に対してもいい顔をしてつい子供を作ってし
まい、結局は妻がうんざり顔で一人で子育てをする、というのとどちらがよいのか。
ま、少子化対策を考えると「趣味が大切な男も子供を作れ」と言いたい人は多いのかもしれませんが、「あ
っちもこっちも」というのは結局、どこかにひずみが生じるものですよね。