「あ、そうだ、お2人はお酒は飲みますか?」「飲むわっ!」「飲むぞっ!」 思い切り右手を上げた2人へ、彼女は瞳を丸くする。 いやほんとにね、中高生くらいのマリアーベルが、まさかお酒を欲しがるわけ無いからね。先ほどの「お2人」という言葉は、僕とウリドラを指していたんだよ。「マリー、お酒は二十歳になってから、だよね?」「……っ!?」 もちろん齢百歳を超えているし、本来なら飲んで問題無いけれど、日本の事情というものがあるからね。そのことをようやく思い出したらしく、マリーはみるみる眉尻を落としてしまう。 ああ、さすがに可哀想だから僕も辞退するからね。 しかしやはりそこはウリドラで、「ではいただくかのう!」と空気を一切読まず頂戴することになる。