カスのくせに強情な奴だ。しかし、この行為によって先生の心痛が和らいでいるというのも事実だった。たまに顔を出す実家で嬉しそうに花束やメッセージカードを眺める姿を何度か見かけている。「おい、まだかよ。さっさと決めろよ」「そんな急かさないでよ!ていうか、獪岳も選んでよ!」そう言って様々な花を見比べる善逸を横目に、獪岳は静かに溜息をついた。「そもそも、なんで毎年俺を連れてくる。お前一人で選べばいいだろうが」「いいじゃん。その方がじいちゃんも喜ぶだろうし」「お前はアホか。その花束はお前名義で送ってんだから、俺が選んだって意味ねえだろうが」場所柄、普段のように大声で口論するわけにもいかない。そのため、二人は互いに顔を近づけながらヒソヒソと舌戦を繰り広げていた。そんな二人を一人の男が、じっと物陰から見つめていた