「さてと、そろそろいいんじゃない? 負けを認めなよ、おにーさん」「う……」「ここまでボコボコにされて、実力差を思い知らされたんだもん。もう抵抗する気力もないみたいだし、認めるしかないでしょ?」 にやにやと憎たらしさを感じさせるいつもの笑みで総太郎に負けを認めることを迫ってくる。「ねぇ、どうなの? 認めないっていうんなら、認めるまで痛めつけることになるけど?」 口に出したくはない。だが、言わねばならない立場だった。 総太郎は泣き出したい気持ちになりながら、声を絞り出す。「……み、認める……」「ん? どうしたの、もっとはっきり言って?」「認める……俺の、負けだ……」 負けを認めたことで気力もついに潰え、総太郎の体から力が抜け、崩れ落ちて壁際に倒れる。 総太郎の敗北宣言を耳にして、佳菜の笑みに喜びの色が混じっていくのが見える。 そして、佳菜は勝利の喜びを爆発させた。「ふふっ、やったぁ♪ 佳菜の勝ちー! そんでもって、おにーさんの負けー!」 嬉しそうに右腕を突き上げてポーズを決め、勝ち誇る佳菜。彼女は総太郎の顔を、黒いソックスをはいた足の裏で踏みつけてきた。 ぐりぐりっ……「う、うう……」 小さく柔らかな、幼い足の裏。顔を踏みつけられて悔しくないはずもなく、総太郎はうめく。「佳菜の実力、思い知ったでしょ? おにーさんじゃ何度やってもわたしには勝てるわけないんだよ、わたしは天才なんだもん」 言い返すことはできない。まさしく佳菜は天才であり、総太郎には及びもつかない驚異的な速度で実力を伸ばしており、その差は前回の勝負と比べても広がっていたと言わざるを得ない。「個人的にはわりとどうでもいいけど、これで神倉流の勝利も決定っ! 約束通り、冴華ちゃんに挑むのはあきらめてね、おにーさん」 そして、佳菜はにやりとした笑みを浮かべながら付け加える。