自覚したならすぐ行動。教師と生徒なんて関係ない。彼女に構いまくる俺に煉獄も竈門も嘴平も、あの冨岡でさえも若干引いていた。まぁそんなことは全く気にしていなかったのだが。在学中から追いまわし逃げられ続け、そんな関係にようやく決着がついたのはあいつの卒業式。「仕方ないから、負けてあげます」そう呆れたように困ったように、静かに笑う彼女を思わず抱きしめてしまった。そこからは早かった。大学生になった彼女に自分の家の方が大学に近いとか、卒業したことで会える時間が減ったとか、とにかく色々な理由をつけて同棲へと持ち込み生活を共にした。文句を言いつつも結局は従うのだから、本当にあいつは俺に甘い。喧嘩はしょっちゅう。それでも、俺たちの仲が崩れることはなかった。結婚だって考えてた。それぐらい、俺はあいつに入れ込んでいた。心底惚れていた。上手くやっていると思っていたんだ。あの日までは…………。修学旅行の引率で四泊五日。それが終われば、そのまま学校から直で教師としての研修会が二泊三日。それが終われば、またまた直で自分の作品の展覧会に関する打ち合わせやらお偉いさんへの挨拶やら準備やらで三泊四日。家に帰れない、あいつに会えない日が十日も続くなんて…地獄かよ……。初日の朝、玄関まで見送りに出てくれたその肩に顔をうずめながら、行きたくないとぼやく。彼女は呆れたように溜息をつきながら笑った。