若者のそんな露骨な態度に深く嘆息した後、リチャードは老齢の騎士に指示を出し、金貨の入った袋を2つ、若者へと渡させる。 若者は2つの袋を受け取り……じっと見つめながら首をかしげる。「……ん? これじゃぁ多過ぎッスよ? 仕事に行く前からもう成功報酬をくれるんスか?」「片方はいつも通りの前払い分だ、もう片方は……一応、念の為に渡しておく。 ディアスが危険人物であり、関わるべきでは無い厄介者だというのは嘘では無い、だから不必要に近付いたりはするな。 だがそれでも、もし、もしディアスに接近することがあれば……それを渡してやれ。 ……呪いでは死ななかったが、飢えて死んだなんて事になられては、笑い話にもならんからな」