「……だいたい、そういうことをお気楽極楽気分でやっても、絶対に後悔しかしないと思う」 俺は諭さとし、琴音ちゃんはポケモン化して聞いている。 これは本音だ。佳世を見てみろ。池谷を見てみろ。あいつらのようにはなりたくない。まわりも傷つけ、自分たちも傷つき、誰一人幸せになれていない。 そんな行為は安易に激情に流されてしちゃだめだ。 琴音ちゃんはしばらく何かを考えて。「あ、あの」 意を決したのか、俺へ向かっておどおどと話し始めた。「ご、ごめんなさい。でも、何も考えてないわけじゃないんです。ただ、わたしが……」「……わたしが?」「祐介くんとそういうことをしたら、たぶん、幸せになれる……そう感じただけなんです」「……」 ピコーン。 俺、琴音ちゃんのセリフに無反応。ただし息子以外な。思わず股間を腕で覆い隠すわい。 やめてくれよん。俺を性的な意味でその気にさせて誰得よ。 チェリーとチェリーでペアチェリーなんだから。ちょっと気取ってみたのごめんなさい。 いやいやいや。だから待て待て待てウェイトウェイトおあずけ。まるで犬の調教師みたいな戒めだが、違った。犬は俺だ。 だから『奥さん米屋です』ばりの官能の世界はまだ早いんだっつの。「ま、まあまあ、たぶんふいんきに流されてるんだよ琴音ちゃん。落ち着いてからそういう話をしようよ」「わたしは、これ以上なく落ち着いてますよ……?」 嘘つけ。 ナポリたんと一緒にいた時、瞳のハイライト消しながらこれ以上なく落ち着いてるとぬかしてたのは誰だ。イヤ訂正、餅ついてるだった。 まあ同義なのでそれは置いといて。「……俺は、もしこんなふうに勢いに流されて琴音ちゃんとえっちしたとしても多分後悔するかな」 素直になろう。人間素直が一番だ。