リョウ殿は、本当に神の使い……? リョウ殿の力で癒されていく村人たちを見ながら、私は呆然とした。 私は思わず腰のあたりに手を当てる。その辺には、タゴサク殿から渡されたリョウ殿の旅路を記した紙を隠していた。 これまでの旅で、私はますますリョウ殿のことを好きになっていた。こんな方に仕えることができたら、素晴らしいことだろうと思っていた。 でも、それでも、彼女が神の使いだとタゴサク殿が信じているのを鵜呑みにしているわけではなかった。 コウキ殿に甘える、普通の少女のような一面だって持っていたのだから。 リョウ殿は幾人かの傷を癒すと、コウキ殿が用意した、布や敷居で仕切られた奥の部屋に向かった。 私は、どうしようかとずっと立ち尽くしていると、コウキ殿がやってきて、村人が入ってこないように見張って欲しいと言われた。 私は声を出せないままなんとか頷いてその仕切りの前に立ち尽くす。