「舞浜さんって百合宮の女王なの?」
「気取り。そんな器じゃないわ」
「そうなんだー」
「ちょっと大丈夫?もし舞浜についてあまりに我慢できなかったら、私も力になるわよ」
「ありがとう桜ちゃん。でも全然平気。申し訳ないけど舞浜さんを怖いと思ったことないし。面倒だなぁとは思っているけど」
「それならいいけど」
舞浜さんかー。鏑木はまるで相手にしていないみたいだけど、優理絵様がらみで強く拒否出来ないのかな。
あれ以来優理絵様とどうなったのか、私には情報が入ってこないし、この間の蛍狩りでも優理絵様の姿はなかったし、結局ふたりはどうなったんだろう。鏑木は吹っ切ることができたのかな。
今の時点で鏑木は若葉ちゃんとも進展が全くないし、優理絵様ともう一度ってことはないのかな。でも優理絵様は大学を卒業したらアメリカに行っちゃうかもしれないんだもんね。う~ん。
まぁ、他人の恋路より自分をどうにかしないとな…。明日も図書館に行かなくちゃ。たまに隣に座って脳内で学生カップルの妄想をしたりしてるんだ。
この夏、気が付けば私は、立派なストーカー予備軍になっていた。