4. 食品ロスの対策
4-1 消費者意識を高める
前章では、食品ロスの原因について論じたが、本章では、食品ロス問題の対策について述べる。第二章でも述べてある。図1は農林水産省(2018)による食品ロスの55%は食品関連事業者にあったが、残りの家庭による45%食品ロスも減らさなければならない。では、市民はなにができるのだろうか。井出(2016)は売店が賞味期限より早く商品を棚から撤去することの原因は消費者の希望に応じたいからであると述べている。消費者はより賞味期限が新しい商品を選ぶ傾向があり、賞味期限が近い商品を棚に乗せると、売れなくなる。さらに、売店は賞味期限が遅い商品を売りたいため、食品メーカーに賞味期限が遅い商品を求める。食品メーカーも納品期限に近い商品は売れなくなるため、結局商品を捨てる。市民は消費者として食品ロスを減らす意識を高めなければ、その悪循環もなくならない。市民は消費者として、日頃から賞味期限を過ぎても、食品をすぐ捨てずに、自分でまだ食べられるかどうかを判断することや買い物の時に手前に陳列されているものから選ぶなど、意識して簡単な取組をすれば食品ロスを減らすことができる。